代理店戦略=再考2=
7. 代理店の営業力・販売力を高めるメーカー営業担当者の4つの活動「その3 代理店の戦略会議」

2019.09.15

1.代理店の戦略会議とは?

私は代理店との戦略会議を、 「メーカー(提供者)と代理店との協働活動(同じ目標に向かって一緒に活動する)を行うための、互いの共通目標を相互確認・実践と検証する場」として定義し、ご相談いただく企業にその実施をご提案しています。

ここでのキーワードは"協働"です。第2回のコラムで、

「代理店は"取引先"ではなく"取り組み先"であるということ」
「一緒になって考え、行動し、汗を流して初めて成果が上がるもの」
「提供者と代理店の"相互理解"が必要である」

とお伝えしました。

これらのことを体現するのがまさしくこの戦略会議です。ですので、戦略会議の目的を以下の6つと定めています。

  1)協働目標の確認と共有化(協働達成意識)
  2) 営業戦略立案と結果の共有、共働で問題解決
  3)経営効率追求(トータルコストを下げて競争力強化)と情報共有
  4)営業強化方法研究と人材育成
  5)商品・サービスの価値研究(買い手にとっての価値)
  6)達成感の共有化

2.戦略会議の2つのキーワード

戦略会議を成功させ、真の販売パートナーとして機能させるためには
「【1.見える化】」と「【2.徹底化】」の2つが重要であると考えています。

【1.見える化】
「見える化」という言葉は一時流行りましたが、私は非常に重要なキーワードと捉えています。では何を「見える化」するのでしょう。

1)目標の見える化
ここでいう目標は、販売台数や金額などの定量的目標だけでなく、協働活動をおこなう上で代理店に強化してもらいたい機能や活動についても定性的目標として設定します。また、代理店の目標だけでなく、メーカー(提供者)側の目標も一緒に見える化します。

2)行動計画の見える化
相互の役割分担にもとづく協働活動計画の見える化です。何をいつのタイミングで誰がするべきかを見える化します。

3)活動状況の見える化
いわゆるプロセス管理に相当するものです。単に見える化して管理をしていくということでなく、成果の挙がる活動とはどのような活動か?を常に探求することが重要です。

4)因果関係の見える化
活動と成果の因果関係を見える化します。
 ・過去のいつの活動の結果が今どう出たか?
 ・今どういう活動をすれば将来いつどうなるか?
を明らかにします。ただしこれは、ある程度継続して行わなければデータがたまらず判明しません。

5)最終達成可能性の見える化
エリア市場需要の自然増減状況に対して、
  ・有望見込み客がいるか
  ・受注可能な見込み案件があるか
  ・競合他社に不満を持つ取引可能な他社有力客はあるか
  ・エリア予測需要に対する自社受注シェアをどの程度伸ばせるか
  ・製品別拡販余地はどの程度あるか
といったように、期初に立てた目標に対してどこまで詰めることができるかを見える化します。

【2.徹底化】

1)まずは「仕事の流れ」を計画し瞬間ごとの「位置」を確認することがスタートです。目標に対して今どの辺にいるかを明確にします。

2)「決めたらできるまでやる」というと根性論のように思われるかもしれませんが、できないならどうすればできるかを考え続けることがポイントです。建設的に前向きに考えることが大切です。

3)よく見受けられるのが、当り前のことができていないという状況です。なぜできないのかその原因を徹底解明して地道に改善をおこないます。

4)成果につながらない、利益を生まない活動をしないことを徹底します。これは「見える化」の3)活動状況の見える化と4)因果関係の見える化から導き出された活動に集中するということです。

5)計画訪問、計画商談により、多忙で権限のある相手との接触を徹底することも重要です。商談を前にすすめるためには権限を持っている相手に会う必要がありますが、そういった相手は非常に多忙なもの。ですので、しっかりとアポをとって計画的に商談をおこないます。

3.戦略会議のアジェンダ例

戦略会議は毎月おこなうことをお勧めしています。また、メーカー(提供者)・代理店双方のしかるべき方々が必ず出席することも大切です。

 メーカー(提供者)・・・エリア長、拠点長、当該代理店担当営業
 代理店・・・経営者、営業責任者、営業担当者

そのため、開催の準備段階が重要になってきますので、おおまかな流れとポイントをご紹介します。

 1)半期ごともしくは年間の開催スケジュールを決定する
 2)会議ごとのメインテーマを設定する
 3)前日までに参加者に資料と課題を配布する
 4)参加者が議題ごとに役割分担をおこない積極的に参画するようにする
 5)会議決定事項の実行保障としてメーカー・代理店の相互管理をおこなう

最後にある企業でおこなわれている戦略会議のアジェンダをご紹介します。



以上のことから、戦略会議を「メーカー(提供者)と代理店との協働活動(同じ目標に向かって一緒に活動する)をおこなうための、互いの共通目標を相互確認・実践と検証する場」と定義し、ともに事業活動をおこなうパートナーとして必須のものとしてご紹介しました。

次回は『代理店の営業力・販売力を高めるメーカー営業担当者の4つの活動』のその4「経営者・営業責任者とのコミュニケーション」について、その目的と方法をご紹介します。

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プロフィール

清水 徹

清水 徹(しみず とおる)

株式会社 マーケティング研究協会 コンサルティング・ サービス部部長

大学卒業後、大手プレハブ住宅メーカーに営業職として入社。1997年にマーケティング研究協会に入社。入社後一貫して、「営業力」「マーケティング力」の強化提案を行う企画営業職として多くの業界と関わる。企画営業活動と同時にコンサルティング、営業教育にも携わり「販売代理店・特約店の活性化策立案」「販売代理店制度の再構築」「販売代理店・特約店の機能強化サポートメニュー開発」「メーカー営業担当者のスキルアップ教育」「代理店経営者・経営後継者・営業担当者教育」などの実績がある。

【主な支援実績テーマ/業界】
○チャネル政策立案・展開(コンサルティング/教育)
オフィス設備、OA機器、医療材料、産業資材、建築材料、建築設備、計測装置、工業用部品、など

○エリアマーケティング戦略立案・展開(コンサルティング/教育)
建築設備、建築材料、情報関連機器、OA機器、化学品、エネルギー、搬送機器、ソフトウエア、など

○提案営業力強化(教育)
自動車関連部品、医療機器、建築設備、出版、情報システム、生産機械、産業用ガス、など

○営業マニュアル/営業ツール作成
業務用化粧品、OA機器、情報関連機器、など

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